絶景をブレで逃さない(注) ために ブレテストレポート その1 重量級35ミリカメラ、大口径望遠ズームレンズ+テレコン編 |
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天と地の間 (白山翠ケ池から乗鞍岳と朝日に輝く雲海) R7、R80-200/4×2; f9(実効)、1/125; RVP; 三脚使用 |
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2.2 テスト環境、被写体およびテスト撮影方法 社内に直線距離で5メートルの見とおし距離を確保できるスペースを用意し、その一端に500W2灯のライトスタンドで照明したブレテスト撮影用被写体(以下では被写体と表現)を、他の一端に撮影機材一式を設置して、仮設スタジオとしました。テスト撮影開始当初は床をフローリングの状態(写真1)のままにしていましたが、三脚石突きによる床の損傷を防止する必要と、床の状態の違いがブレテスト結果に及ぼす影響を検証する必要を感じたため、写真2(20cm×20cm×6cm、約6kgのブロックに上に直径7cm×厚さ3mmの硬質ゴム敷)、写真3(写真2からゴムを撤去)と床の状態を変え、その他の条件を同一にして比較テストを行ったところ、その結果に目立った差が出ませんでしたので、テストの大半を写真3の状態で撮影しています。 被写体には、当初はカメラ雑誌のレンズテスト等でよく使用されているテストチャートを使うつもりでしたが、入手難からまず自作をし、その評価を行い、その結果から自作品で進めることにしました。テスト撮影中に多少手直ししています。 その後特注のテストチャートを入手しましたので、次の企画からはそれを使う予定ではいます。 後の分析・整理作業でのミス防止と省力化のため、使用機材名、露出値等々のデータはフィルム1コマの撮影毎に被写体の一部として同時記録されるようにしました。仮設スタジオのことでもあり、照度をコントロールする照明設備がないため照度はほぼ一定とし、露出モードをボデーの操作性に応じてシャッタスピード優先かマニュアルとしました。1コマ毎に、被写体のなかの使用機材名、シャッタスピード(ss値)、絞り(f値)、その他の撮影データを書換え、次にボデーのシャッタスピードと絞値を設定し、その後ケーブルレリーズによりシャッタを切っています。
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2.3 テスト撮影実施と結果の評価 |
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霊山寺のバラ R8、R180/2×2; F5.6(実効)、1/125; RVP; 三脚使用 |
2.3.1 テスト撮影実施 テストを開始した当初は、どのようにな結果になるかがわからなかったことと、同一条件でも何らかの原因により異なった結果になる可能性があると思われたことから、1つのテストケース(注) ごとに2コマの撮影を行いました。このようにして撮影したフィルム24本360ケース(フィルム1本について、同一機材で、シャッタスピード:ミラー通常1/4〜1/500秒の8ケース、ミラーアップ1/4〜1/250秒の7ケース計15ケース)の結果を分析したところ、同一テストケースの2コマの間に差が出たのは2%未満でしたので、その後は1テストケース毎に1コマ撮影することにしました。またこの結果では、ミラー通常で 1/250秒と 1/500秒の場合、およびミラーアップではほぼ全てのケースについて、問題となるほどのブレが見とめられませんでしたので、その後ミラー通常では 1/500秒を、ミラーアップでは 1/250秒をテストの対象外とし、さらにミラーアップについてはテスト撮影を全て省略したケースもかなりの範囲におよんでいます。 レンズの最小絞り(絞値最大)を使わないようにするため、1/4秒および1/8秒ではND4フィルタを使用しました。 テスト撮影用フィルムには、大半に富士フィルムのトレビ400を使用し、ごく一部にトレビ100またはコダックのダイナ400を使用しました。
2.3.2 テスト撮影結果がブレているか否かの評価 今回のテストで最も困難を感じさせられた部分です。 テスト撮影結果のポジフィルムを1コマずつ16倍のルーペ((ピーク製ズームルーペ816))で目視し、その中で、被写体の線、文字、縞馬画像がどのように写っているかにより、各コマを◎、○、□、△、×の5段階に評価・分類することとし、この作業の途中で●(○と□の間)を追加設定しました。
なおテスト結果全体を見わたしてブレ発生の程度に最も差がでている、シャッタスピード 1/15〜 1/125秒のテスト結果について、実際のテスト撮影写真をPhoto−CDに入力し、その中心部を切り抜き拡大し、参考画像データとしてこのCD−ROMに含めています。より詳しくは3.2を参照下さい。 |