カナディアンロッキーズ ご紹介 2002.08. -2
(ルート1A、レイクルイーズ、日帰りハイキング、シャトー・レイクルイーズとお薦めのレストラン、レイクアグネス、ビッグ・ビーハイブ、リトル・ビーハイブ、ビクトリア氷河とビクトリア山)
関連地図: Banff〜Jasper 290km  LakeLouiseとその周辺

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ルート1A
バンフからレイクルイーズへはトランスカナダ・ハイウェイ(#1)を通るのが最も便利ですが、バンフからレイクルイーズ側5kmほど先で右(北側)に分岐するBow Valley Parkway(ルート1A)という片側1車線の旧道が走っています。今年は時間にすこし余裕があったので、このルートを通ってみることにしました。
結果は大正解で、樹林帯のなかの快適なルートで、道端の駐停車も容易、ところどころでご覧のようにワイルドネスな世界を直接味わうこともできました。

なおこの道路は3月1日〜6月25日の18:00〜9:00は野生動物保護のため閉鎖されるのだそうです。



キャッスル・マウンテン(2,862m)
ルート1Aに入ってすぐ右手に、名のとおり巨大な城のようにそびえています。トランスカナダ・ハイウェイからはちょっと遠目ですが、ルート1Aではかぶさってくるように見えます。
レイクルイーズ・ゴンドラ
ルート1Aの終点はT字路になっており、そこを左に曲がりトランスカナダ・ハイウェイのレイクルイーズICの下をくぐるとレイクルイーズに、右に曲がって5分ほど走るとレイクルイーズスキー場とゴンドラ(=4〜5人乗りのリフト)乗り場にたどり着きます。スキー場の売店で 2人分30C$でゴンドラのチケットを買い、15分ほど待ち行列に並んで、レイクルイーズ・ゴンドラ・ビューポイントに昇りました。
若い美人の案内嬢が乗る前に1人1人に「危険だから身の安全は自分で確保してください。落ちても責任は負いません。」と覚悟のほど! を確かめていました。当然 「yes」と答えないと乗せてもらえません。乗ること約10分で中腹のビューポイントにつきました。

雲が多く今ひとつの天候でしたが、眼前には雄大なカナディアンロッキーの山並み(のごく一部)が展開していました。正面少し遠めにビクトリア氷河を抱えたMt. ビクトリア(Mt. Victoria、3,464m)がそびえ、その足元には瑠璃色のレイクルイーズが横たわり、左にはMt.テンプル(3,542m)の巨大な山塊とその奥に10ピークスの3,000m級の山並みが連なっていました。
レイクルイーズ と Mt. ビクトリア
カナディアンロッキー観光のハイライト。まさに息を飲む美しさ。その美しさを周囲の手付かずの自然がいっそう引き立てています。季節の花が咲き乱れるシャトー・レイクルイーズも見事に調和しています。日の出前の薄明かりのときから落日まで、さらに星降る夜まで、ここでどんなに長時間過ごしても飽くことがないでしょう。
フェアモント・シャトー・レイクルイーズ
レイクルイーズのほとりに建つすばらしいリゾートホテル。何がすばらしいかって、周囲の景色も、建物も、ホテルを取り巻く周囲の庭も、ロビーの内装も、それにサービスも・・・。高級ホテルなんぞにはほとんど縁がなかった筆者等にも、良さというものを知らしめてくれたホテルでした。 
シャトー・レイクルイーズのレストラン お薦めのレストラン
Fairview Dining Room、  Chateau Deli
Fairview Dining Room
このホテルに泊まると食事はホテル内でとるしかありません。チェックインカウンターでもらったパンフレットには5つのレストランが載っていました。筆者らがチェックインしたのは 17:30分でしたが、ホテルの周囲で「ちょっと光が綺麗な間に」と撮影していたら 19:00をまわってしまい、それからレストランをのぞきに行ったらどこも予約で一杯だったり予約がいらないところは超満員。

しょうがないので、(今度はおとが)チェックインカウンターに行き、片言英語でカウンター嬢に相談したら、日本人スタッフが出てきて「Fairview Dining Roomなら通常は21:00 オーダーストップだが、今日は混んでいるので21時15分からなら予約をお受けします。ただし男性はジャケット着用、女性はややドレッシーな服装 ですが」 とのこと、こんなこともあろうかと、幸い二人とも用意していたので無事ありつくことができました。そのときは「よかった!」ぐらいにしか思わなかったのですが、よくよく考えてみれば「もう閉店時間まで予約でいっぱいです。申し訳ありませんが・・。」といわずに時間を延長してまで受けてくれるというのは、確かにすばらしいサービスの一つだとおもいます。

このレストランの窓はレイクルイーズと Mt.ビクトリアに面していて、明るい時刻なら最高の景色を見ながら食事を楽しめるでしょう。 もっとも 眺め なら一歩外へ出れば良いだけですが。 またこのFairview Dining Roomはこのホテルで最も高級なレストランだそうですが、さすがに、味、サービス、眺めにウェイトレスの対応も格別でした。これで代金はといえば、シーフード中心のディナーのフルコース×2、ビール×2、グラスワイン×2、コーヒー×2で税・サービス料別138.57C$×1.07(税7%)+31.73C$=180C$≒\14,040で、日本の高級ホテルでの夕食(めったに行きませんが)とは比較にもならない安さでした。

右のレストラン内の写真は「フラッシュは使わないので」とウェイトレスの承諾を得て、ライカCL、S40/2、ISO400、絞りf2開放、シャッター1/4、手持ちで撮ったものです。


Chateau Deli(写真はありません)
Fairview Dining Roomの背側にあるサンドイッチやサラダ・スープ・コーヒー中心の24時間営業・セルフサービスの簡易レストランです。筆者等は朝食を手早く済ませたかったので2回ともここでとりました。
陳列棚の中のを選んで、向かい側にいる店員に出してもらい、レジで代金(現金・TC)を払ったあと店内のテーブルで食べるかテイクアウトします。 ここのサンドイッチもボリューム万点で、値段は1人分11C$≒\870前後、お味も very goodでした。 というわけで他のレストランが満席の場合や安価に済ませたい場合もお薦めです。またレイクルーズ近辺のデイ・ハイクの弁当やおやつ用に持ち帰るにも大変便利です。

シャトー・レイクルイーズのレストラン がっくりきたレストラン
Restaurant Popy
レイクルイーズに面した庭園から直接入れる、予約不要、軽装可 のファミリー的なレストランです。このホテルでは安価な方ですが、Banff市街地のレストランよりは割高です。筆者らは2日目の夕食をここでとったのですが、 19:30に行ったときは80%ほどの入りでした。
ウエイトレスがすぐテーブルに案内してくれましたが、そのテーブルが出入口のすぐ前で落ち着かなかったので、係りのウエイトレスに「空いている隣のテーブルに替えてほしい」と頼んだら、ちょっと困ったような顔をしていました。それでも一度姿が見えなくなって数分して戻ってきたら、OKといってセットを移してくれました。マネージャか誰かに了解をもらってきたようです。それとなく見ていると、どうやら筆者らが移ったテーブルは別のウエイトレスの担当で、彼女にとっては空いたテーブルに次の客がこないと減収になりそう と思えたので、「Thank you. We are very grad for your kindness.」といって10C$を渡しましたら、笑顔を見せてくれました。

ここまでは良かったのですが、この後がさんざんでした。
メニューを見ても食事のイメージがわかなかったので、筆者はアルバータ・ビーフにしようと適当に注文してみたら、それだけで腹一杯になってしまうほどのスープと、それに続いてメインディッシュとして30cm位の皿に、お椀を伏せたような形の大きなビーフの塊と残りのスペース一杯に盛られたフライドポテトが出てきました。このビーフの塊が難物でした。大味な上、ナイフでカットするにも手こずるほど固く、40分がんばっても結局 1/3を口にしただけ、おとはサーモンのソテーを注文したのですが、これもまた「巨大で、大味で」、フライドポテトも山盛りでやはり 1/3しか食べられず、「こんなに残すのはみっともないな」と話しながら、退散してしまいました。 それでも代金は2人分で税・サービス料別107.57C$×1.07+19.9C$=135C$≒\10,530でした。

ここで食事をする場合は、日本人ならよほどの大食漢でなければ2〜3人で1人前を注文するのがよさそうです。

  レイクルイーズ周辺のデイ・ハイク  
レイクルイーズの周辺にはカナディアンロッキーの本格的な登山コースとともに2〜5時間のハイキング・コースがたくさんあり、その大部分は下の写真のような歩きやすい道です。またレイクルイーズ周辺は人が多いので熊の出没も少ないようです。

幸い今日は夜明け前から快晴。筆者らはいくつかのルートをつないで約5時間のデイ・ハイクをすることにしました。往路は、レイクルイーズの右岸からビッグ・ビーハイブ(=大きい蜂の巣)を経てリトル・ビーハイブ・ビューポイントに登り、そこからいったんレイクアグネスに下って、レイクルイーズからビクトリア氷河のビューポイント(=Plain of Six Glaciers Teahouse )への直登ルートであるHighline Trail (とその先のPlain of Six Glaciers Trail)に合流してこのTeahouseまで登り、帰路は、TeahouseからPlain of Six Glaciers Trail → Highline Trail → Lakeshore Trail を一直線にレイクルイーズに帰るコースです。

レイクアグネス・トレイル と ビッグ・ビーハイブ(Big Beehive)
レイクルイーズの右側の道は、少し先でレイクアグネス・トレイルとレイクショア(Lakeshore) トレイルに分かれ、かなり先で再び一緒になり、プレイン オブ 6氷河 トレイル(Plain of Six Glaciers Trail) に続いています。最初の分岐点を右へたどってレイクアグネス・トレイルに入り、樹林帯の中を30分ほど登ると名前のとおり蜂の巣そっくりのビッグ・ビーハイブ(2,270m)の下に出ました。手前には湖というにはあまりにも小さなミラー・レイクがあります。

道はここでまた2つに別れ、右がリトル・ビーハイブ(Little Beehive、2,210m)頂上のビューポイントへ通じています。
レイクアグネス・トレイル カナダでは馬でトレッキング
レイクルイーズから1時間ほど登って小休止、変な音が聞こえると思っていたら、なんと馬に乗った10人ほどのパーティが追いついてきました。 これはめっけものと思い、先頭のお嬢さんに「May I take some pictuers?」とたずねたら、「No probrem.」といって、つかの間 停馬!してくれました。 カナダの馬は大変ですね。動物虐待にはならないのか と要らぬ心配をしてしまいました。


森林のトレイルで気分は最高です、ただ、所々に落ちてる大量の馬のおみやげには気が抜けてしまいますが、必死な馬を思うとほほ笑みに変わります。

(カナダでは「ハイキング」と言わずに、「トレッキング=牛馬旅行」と言うのはこういう伝統があるからなんすね。納得。)

リトル・ビーハイブ展望台(Little Beehive View Point)
レイクルイーズからレイクアグネス・トレイルの高度差約480mを登り詰めると標高2,210mのLittle Beehiveの頂上にたどり着きます。このビューポイントからはご覧のようにトランス・カナダ・ハイウェイ、カナタ太平洋鉄道(Canadian Pacific Railway)、ボウ川をはさんで、Banff National Parkのもうひとつの山塊Slate Rangeの山並みを見ることが出来ます。正面の山腹には昨日乗ったレイクルイーズ・ゴンドラも見えます。

リトル・ビーハイブ頂上の3方は樹林帯なのに、着いてしばらくすると風が冷たく寒いので、ときどき展望表示板の陰の日だまりで温まりながら眺めや撮影を楽しみました。

3,000m級のそれぞれに特徴のある形の山々が太古の様子そのままにずらりと並んでいる様はそのまま地球や宇宙を感じさせてくれて、わあぉー・・・と言わずにはいられませんでした。

リトル・ビーハイブからレイクアグネス(Lake Agnes)へ
リトル・ビーハイブ ビューポイントから、きた道をほんの少し戻り右側へたどると突然視界が開け、雄大なVictoria Glacierとその後ろの6つの峰々が眼前に迫り、息をのむ。 このトレイルは木立の中の緩やかな下りで、森林の香り、オゾンがいっぱいに詰まった空気を思いっきり深呼吸すると、まさに生きてるって感じ。 さらに少し下ると小湖レイクアグネスに着く。レイクルイーズを出てから今まで先ほどの馬に乗ったパーティ以外には数人にしか会わなかったのが、ここへ来たら10数人ほど傍らのティーハウスで休んでいた。さすがにみんなニコニコ顔だ。
レイクアグネスは澄んだ水を湛え、深い森の中で妖精のいるおとぎの世界のよう。カメラを手に立っていたら、岸べにいた地リスが餌を求めてすぐ近くまでやってきて、可愛いしぐさをしてくれた。でも餌をやるのは厳禁なのでかわいそうだが、がまんがまん。

レイクアグネスからPlain of Six Glaciers Trailを経てビクトリア氷河(Victoria Glacier) と Mt.ビクトリアの展望台へ
レイクアグネスから今日の最終目的地「Plain of Six Glaciers Teahouse: Victoria Glacier と Mt.Victoriaの展望台」へのルートであるHighline Trail (とその先のPlain of Six Glaciers Trail) に出るには、ティーハウス前から右岸を巻いて小さな鞍部を越える道と、一旦すぐ左の垂直な梯子道を下り、ビッグビーハイブの左側を巻く道がありました。下ってきたばかりでまた登るのがいやだったので、梯子を降ることにしました。 

降りきって少し歩くと樹林帯のなかの穏やかなトレイルに変わる。さらに進むと、こっちに倒れてくるかのような凄い形のスケールの大きな岩山やあたり一面に咲くピンクの蘭が迎えてくれた。
道は再び緩やかな登りになり、レイクルイーズから直接このルートをたどってきたハイカーが多くなる。まるで北アルプスのよう。筆者等は小柄なうえ三脚を2本もつけた見るからに重そうなザックを背負いフーフー言いながら登っているのに、みんなは大柄な上ほとんどが水筒と軽食だけ。天気が悪くならないと知ってか雨具さえも持っておらず、次々と追い越してゆく。中には、筆者等を見て首をすくめる人もいる。

歩くこと1.5時間、木立がなくなりガラ場になる、所々にグレイシャーからの澄んだ冷たーい清水がわき出ている。タオルにしめらせて首に巻く。太陽に照らされての登り道で汗をかいた体にウー極楽極楽、冷風もやってきてグレイシャーがずんずんとせまってくる、ついに到着。近くで見るグレイシャーは雄大で神々しくまた優しく抱かれているようだった。飲み物は勿論ケーキやサンドもあるティーハウスが嬉しかった。

ビクトリア氷河 と Mt.ビクトリアの展望台(Plain of Six Glaciers Teahouse)にて、 そして再びレイクルイーズへ
着いたとき、この展望台(というより展望地)にはすでに30人ほどのハイカーが清涼な空気の中で三々五々サンドイッチを食べながら、グレイシャーと氷の山の人工臭さのかけらもない若々しく雄大な眺めを楽しんでいた。しばらくすると Mt.ビクトリア山頂と上空に少し雲がかかり始めた。担いできた機材一式を急いでセットし、雲の切れ目から日が射すのを待って必撮を試みる。が、なかなか思うようには撮らせてくれない。まわりの外人の目はなんとなく「あんな重いものをはるばるここまで、変な日本人」とか「日本からきたプロのカメラマン」と言っているよう。日本でならごく普通の「カメ爺・カメ婆」(まだ爺・婆と言われるのははなはだ心外だが)にすぎないが、ここでは確かにそう見えるだろう。そのうち何人かの外人がカメラを持って代わる代わるシャッター押しを頼んできた。 Mt.ビクトリアを背にすると完全逆光でそのままでは顔が真っ黒になり、つい気合いが入る。だがちゃんと写っているかやや不安。

こんな時間をたっぷり2時間ほど楽しんでいたが、ついに帰るときがきた。帰りは一直線の緩やかな下り。天気は晴れ、ときどき曇り。しばらく歩くと前方眼下に瑠璃色のレイクルイーズが見えてきた。胸にはルンルン気分と去りがたい思いが交錯していた。山よ氷河よ、すばらしい時をありがとう。さようならまた来る日まで。